保安林制度とは?
保安林制度とは、水を育んだり、土砂崩れなどの災害を防止したり、美しい景観や保健休養などの場を提供したりする重要な森林を「保安林」に指定し、こうした機能が失われないよう伐採や土地の形質変更を制限し、適切に手を加えることにより、期待される森林の働きを維持しようとするものです。
保安林に指定されると
税金の免除などの特例措置を受けることができます
固定資産税、不動産取得税、特別土地保有税は課税されません。また、相続税、贈与税は伐採制限の内容に応じて相続制等の評価の際に3~8割が控除されます。さらに、一定の条件を満たしている場合には、特別の融資を受けることができます。
行為の制限があります
立木の伐採
立木を伐採する場合には、あらかじめ長野県知事の許可を受けなければなりません。指定施業要件に定める限度を超えない範囲であることが確認されれば、立木を伐採することができます。つまり、制限はあるものの必ずしも立木の伐採ができない訳ではありません。
土地の形質変更
家畜の放牧や土石・樹根の採掘、開拓その他の土地の形質を変更する行為などを行う場合には、あらかじめ長野県知事の許可を受けなければなりません。なお、これらの行為が保安林の働きに支障を及ぼすことがないと確認されれば、許可を受けることができます。
植栽の義務
立木を伐採したあと、木を植えなければもとの森林状態に回復しない場合には、伐採した跡地への植栽が義務づけられます。
保安林の指定と解除
保安林の指定は、農林水産大臣または長野県知事が行います。水源の涵養、災害予防など公益上特に森林の保全が必要と認められる場合に限り指定されます。また、原則として保安林の指定を解除することはできません。ただし、次の場合には保安林の指定が解除されます。
- 保安林の指定の理由が消滅した場合
- 公益上の理由により必要が生じた場合(公益性の高い道路を建設する場合など)