子宮頸がんについて
子宮頸がんとは、子宮の出口の近い部分にできるがんです。国内では年間約1.1万人の女性が罹患し、さらに約2,900人の女性が亡くなっています。すべての年代の女性がかかる可能性があり、近年では20~30歳代で増加傾向にあります。
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染することですが、このウイルスは性的接触のある女性の多くが「一生に一度は感染する」といわれるウイルスです。感染しても、ほとんどの人は自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあります。
現在使用されているHPVワクチンは、子宮頸がんの原因の約7割を占めるウィルスの感染を防ぐことができ、子宮頸がんのほとんどは前がん病変を経由して発生するため、ワクチンを接種しウィルスの感染を防ぐことで子宮頸がんを予防できると考えられています。
HPVワクチンの積極的な勧奨の再開について
子宮頸がんの予防接種は平成25年4月1日から定期予防接種となりましたが、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛みが接種後に見られたことから、同年6月から積極的な接種勧奨を差し控えていました。
厚生労働省は、令和3年11月に「最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められた。今後の対応の方向性も踏まえつつ、積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当」と発表し、積極的な勧奨が再開されました。
接種にあたっては、ワクチンの有効性と接種後の副反応が起こるリスクを十分に理解した上で受けるようにしてください。
定期予防接種について
対象者
・高森町に住民登録がある
・年度中に13歳~16歳に達する女子(中学1年生~高校1年生相当の女子)
※標準的な接種時期は中学1年生とされているため、高森町では中学1年生に予診票を送付します。
接種期限
・16歳となる日の属する年度の末日(3月31日)
※定期接種期間が過ぎると公費で接種が受けられません。
⚠ご注意ください
初回接種:高校1年生相当の方は9月末日までに1回目の接種を完了してください
ワクチン接種は合計3回、標準的なスケジュールで約6か月間かかるため、
接種を希望される高校1年生の方は、9月末までに1回目の接種を開始してください。
定期予防接種後は自己負担となります。
接種費用
無料
※対象年齢外での接種、規定回数である3回を超えた接種は有料となります。
転出された場合、高森町が発行した予診票は使用できません。
予診票の発送時期
中学1年生の年度初(4月初旬)
予診票を紛失してしまった方や高森町に転入された方は、役場健康福祉課健康係まで連絡してください。
キャッチアップ接種について
平成9(1997)年4月2日~平成20(2008)年4月1生まれの女性は
「子宮頸がん(HPV)予防ワクチンキャッチアップ接種および償還払いについて」をご確認ください。
HPVワクチンに関する情報提供について
厚生労働省は、「HPVワクチン接種について検討・判断するためのワクチンの有効性・安全性に関する情報等や、接種を希望した場合の円滑な接種のために必要な情報等を、対象者等に届けること」を目的として、以下のリーフレットを公開しています。
※接種を受ける前にぜひお読みください。
小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(概要版)(PDFファイル:4.1MB)
小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)(PDFファイル:5.7MB)
更に詳しくHPVワクチンについて知りたい方は、厚生労働省ホームページのHPVワクチンに関するQ&Aをご覧ください。
HPVワクチンの概要について
HPVワクチンの定期接種対象者は、小学校6年生~高校1年相当の女子です。
※標準的な接種期間は中学1年生からとされています。
現在、日本において公費で受けられるHPVワクチンは3種類*あります。
間隔をあけて、同じワクチンを合計2回もしくは3回接種します。
(*サーバリックス・ガーダシル・シルガード9)
どの種類を接種するかは、接種する医療機関に相談してください。
令和5年4月から、新たに9価のHPVワクチンが公費で打てるようになりました。
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について(厚生労働省ホームページ)
HPVワクチンの効果
公費で受けられるHPVワクチンは、子宮頸がんを起こしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。
海外や日本で行われた疫学調査では、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。また、接種の進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
HPVワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人ががんにならなくてすみ、約20人の命が助かると試算されています。
HPVワクチンの副反応
HPVワクチン接種後には、多くの方に接種部位の痛みや腫れ、赤身などが起こることがあります。まれですが、重い症状*が起こることがあります。
HPV因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状をふくめて、 HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり、約10人です。
*重いアレルギー症状:呼吸困難やじんましん等(アナフィラキシー)
*神経系の症状:手足の力が入りにくい(ギラン・ バレー症候群)、 頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))等
HPVワクチンを接種した方へ
HPVワクチンを受けた後は、体調に変化がないか十分に注意してください。 接種後に症状が生じた時は、接種を受けた医師、かかりつけ医師にご相談ください。 また、詳しい情報はこちらをご覧ください。
HPVワクチンを受けた お子様と保護者の方へ (PDF 1.24MB)
HPVワクチンに関する相談先
HPVワクチンの接種後に生じた症状について、患者へより身近な地域において適切な診療を提供するため、各都道府県において協力医療機関が選定されています。
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について(厚生労働省ホームページ)
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口を設置しています。
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口について(厚生労働省ホームページ)
予防接種健康被害救済制度について
予防接種は、極めてまれですが、接種を受けた方に重い健康被害を生じる場合があります。
HPVワクチンに限らず、すべてのワクチンについて、ワクチン接種によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた場合は、法律に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。
ワクチン接種だけでなく定期的に検診を受けましょう
HPVワクチンは、子宮頸がんを予防する効果があることが分かってきています。
ワクチン接種に加え、20歳を過ぎたら2年に1回の子宮頸がん検診を受診し、がんの早期発見・早期治療につなげていくことが大切です。