子宮頸がん予防ワクチンの接種について
子宮頸がんについて
子宮頸がんとは、子宮の出口の近い部分にでき、若い世代の女性のがんの中で多くを占めるがんです。日本では毎年、約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年、約2,900人の女性が亡くなっています。患者さんは20歳代から増え始め、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人は、1年間に約1,000人います。
子宮頸がんは、HPV(ヒトパピロマーウイルス)というウイルスに感染することが主な原因のがんです。このウイルスは、性的接触のある女性の多くが「一生に一度は感染する」といわれるウイルスです。感染しても、ほとんどの人は自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあります。(※HPV感染は主に性的接触によるもので、一生のうちに何度も起こりえます。)
HPV感染症を防ぐワクチンとして、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)があります。
HPVワクチンの積極的な勧奨の再開について
HPVワクチンの積極的な勧奨を控えていた経過について
平成25年4月1日から、HPVワクチン接種は、予防接種法に基づく定期予防接種となり、無料で接種を受けられるようになりました。しかし、平成25年6月14日付けで「ワクチンとの因果関係を否定できない副反応(持続的な疼痛)が本ワクチンの接種後に特異的に見られたことから、同副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではない」旨が国(厚生労働省)から全国の市区町村に通知されました。
この通知(勧告)に基づき、平成25年6月からHPVワクチン接種について積極的な接種勧奨を差し控えていました。
国の方針に基づく積極的な勧奨の再開の決定について
令和3年11月26日付けで「最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められた。今後の対応の方向性も踏まえつつ、積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当」という旨が厚生労働省から全国の市区町村に通知され、HPVワクチン予防接種における積極的な勧奨の再開が決定しました。
厚生労働省の通知等、詳しくはHPVワクチンに関する通知・事務連絡(厚生労働省ホームページ)をご覧ください。
HPVワクチンに関する情報提供について
厚生労働省は、「HPVワクチン接種について検討・判断するためのワクチンの有効性・安全性に関する情報等や、接種を希望した場合の円滑な接種のために必要な情報等を、対象者等に届けること」を目的として、以下のリーフレットを公開しています。
※接種を受ける前にぜひお読みください。
小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(概要版)(PDFファイル:4.1MB)
小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)(PDFファイル:5.7MB)
更に詳しくHPVワクチンについて知りたい方はHPVワクチンに関するQ&A(厚生労働省ホームページ)をご覧ください。
HPVワクチンの概要について
HPVワクチンの定期接種対象者は、小学校6年生~高校1年相当の女子です。
現在、日本において公費で受けられるHPVワクチンは2種類*あります。
間隔をあけて、同じワクチンを合計3回接種します。
(*サーバリックス・ガーダシル)
どちらを接種するかは、接種する医療機関に相談してください。
HPVワクチンの効果
公費で受けられるHPVワクチンは、子宮頸がんを起こしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。
海外や日本で行われた疫学調査では、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。また、接種の進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
HPVワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人ががんにならなくてすみ、約20人の命が助かると試算されています。
HPVワクチンの副反応
HPVワクチン接種後には、多くの方に接種部位の痛みや腫れ、赤身などが起こることがあります。まれですが、重い症状*が起こることがあります。
HPV因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状をふくめて、 HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり、約10人です。
*重いアレルギー症状:呼吸困難やじんましん等(アナフィラキシー)
*神経系の症状:手足の力が入りにくい(ギラン・ バレー症候群)、 頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))等
引用:小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)
HPVワクチンの接種について
定期接種対象者
年度中に12歳~16歳に達する女子
(小学校6年生~高校1年生相当年齢)
定期接種期間
小学6年生となる年度の初日(4月1日)から
高校1年生相当となる年度の末日(3月31日)まで
高森町では、標準的接種期間*の中学校1年生を対象に予診票を送付します。
*標準的接種期間とは…
接種対象となる年齢と病気の性質などから、接種を受けることが望ましいとされる期間
令和4年度については、積極的勧奨の再開に伴い小学校6年生を除く定期接種対象者への送付を行いました。
【平成18(2006)年4月2日~平成23年(2011)年4月1日生まれの女子(接種完了者を除く)】
平成18・19年生まれの方は、救済措置により令和7年3月31日まで接種期間が延長されます。
定期接種期間が過ぎると公費で接種が受けられません。接種を希望する方は早めの接種をお勧めします。
予診票を紛失してしまった方は、役場健康福祉課健康係まで連絡してください。
定期接種の機会を逃した方への救済措置(キャッチアップ)について
積極的な接種勧奨の差し控えにより、定期接種の機会を逃した方に対して、公平な接種機会を確保する観点から、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種(キャッチアップ接種)を実施します。
キャッチアップ対象者
平成9年(1997年)4月2日~平成18年(2006年)4月1日生まれの女性
※過去にHPVワクチンを合計3回うけていない方
※1回接種したことがある人は残り2回、2回接種したことがある人は残り1回、公費で接種を受けることができます。
キャッチアップ対象者は令和7年3月31日まで公費で接種できます。
3回の接種を完了するまでに十分な期間が設けられていますが、希望する方は早めに接種することをお勧めします。
キャッチアップ接種の詳細は、以下のリーフレットをご覧ください。
キャッチアップ接種リーフレット(PDFファイル:1.9MB)
更に詳しく知りたい方はヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~(厚生労働省ホームページ)をご覧ください。
高森町では、キャッチアップ対象者について、接種履歴の有無と接種希望の調査を行います
高森町にHPVワクチン接種完了の記録が無い方に、接種希望と接種履歴を調査する用紙を送付します。
調査回答後、接種を希望される方に予診票が送付されます。
大変お手数ですが、皆さまの回答をよろしくお願いいたします。
※令和4年4月1日以降、高森町に転入された方で調査票が届かない方は、役場健康福祉課健康係にお問い合わせください。
回答用ページURL
https://logoform.jp/f/t8ldz

回答用ページQRコード
HPVワクチンに係る任意接種費⽤の償還払いについて
HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えにより定期接種の機会を逃してしまい、定期接種の対象年齢を過ぎてから自費で接種された方について、接種費用をお返しします。
対象となるのは、以下の1.~5.の条件を全て満たす方です。
1.令和4年4月1日時点で高森町に住民登録があること
2.HPVワクチン定期接種(高校1年生まで)で3回の接種を完了していないこと
3.高校2年生以降に、HPVワクチン(2価・4価)を自費で接種していること
4.償還払いを受けようとする接種回数分について、キャッチアップ接種を受けていないこと
5.平成9年4月2日~平成17年4月1日生まれの方
償還の申請には、予防接種にかかった費用が明記されている領収書が必要です。
詳しい申請方法は、上記の回答用ページからご確認ください。
HPVワクチンを接種した方へ
HPVワクチンを受けた後は、体調に変化がないか十分に注意してください。 接種後に症状が生じた時は、接種を受けた医師、かかりつけ医師にご相談ください。 また、詳しい情報はこちらをご覧ください。
HPVワクチンに関する相談先
HPVワクチンの接種後に生じた症状について、患者へより身近な地域において適切な診療を提供するため、各都道府県において協力医療機関が選定されています。
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について(厚生労働省ホームページ)
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口を設置しています。
ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口について(厚生労働省ホームページ)
予防接種健康被害救済制度について
予防接種は、極めてまれですが、接種を受けた方に重い健康被害を生じる場合があります。
HPVワクチンに限らず、すべてのワクチンについて、ワクチン接種によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた場合は、法律に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。
ワクチン接種だけでなく定期的に検診を受けましょう
HPVワクチンは、子宮頸がんを予防する効果があることが分かってきています。
ワクチン接種に加え、20歳を過ぎたら2年に1回の子宮頸がん検診を受診し、がんの早期発見・早期治療につなげていくことが大切です。
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更新日:2022年07月21日