○水道料金算定要領
昭和58年4月1日要領第1号
水道料金算定要領
1 総則
(1) 本旨
水道料金の算定に当たっては、水道使用者の公正な利益と水道事業の健全な発展をはかり、もって地域住民の福祉の増進に寄与するよう配慮しなければならない。
2 総括原価
(1) 基本原則
水道料金は、過去の実績及び社会経済情勢の推移に基づく合理的な水需要予測と、これに対応する施設計画を前提とし、誠実かつ能率的な経営の下における適正な営業費用に水道事業の健全な運営を確保するために必要とされる資本費用を算定しなければならない。
(2) 料金算定期間
料金の算定期間は原則として将来の4か年とする。ただし、2~3か年間とすることを妨げない。
(3) 営業費用
営業費用は、人件費、薬品費、動力費、修繕費、受託工事費、減価償却費、資産減耗費その他維持管理費の合計額から控除項目の額を控除した額とする。各費用及び控除項目の額の見積りに当たっては、料金算定期間中の事業計画及び経済情勢の推移等を十分に考慮しなければならない。
ア 人件費
人件費は、給料、手当、賃金、報酬、法定福利費及び退職給与金の合計額とし、過去の実績、職員計画及び給与水準の上昇等を考慮して適正に算定した額とする。特に、退職給与金は職員の年令構成の実態等をもとに合理的に見積らなければならない。
イ 薬品費
薬品費は、給水計画及び各水源別水質の実態等を考慮して適正に算定した額とする。
ウ 動力費
動力費は、地区別需要予測に基づく水道施設の個別稼動計画に準拠して適正に算定した額とする。
エ 修繕費
修繕費は、水道施設の適切な維持を基本とし、要修繕固定資産の帳簿原価の年3%相当額として、適正に算定した額とする。
オ 受託工事費
受託工事費は、過去の実績及び料金算定期間内の事業計画に基づいて適正に算定した額とする。
カ 減価償却費
減価償却費は、料金算定期間中の水道事業償却対象資産の帳簿原価に対し、原則として定額法により算定した額とする。
キ 資産減耗費
資産減耗費は過去の実績及び水道施設の実態等を考慮して適正に算定した額とする。
ク その他維持管理費
通信運搬費、委託料及び手数料等のその他維持管理費は過去の実績、料金算定期間中の事業計画及び個別費用の特質等を勘案して適正に算定した額とする。
ケ 控除項目
諸手数料その他事業運営に伴う関連収入は、過去の実績及び料金算定期間中の事業計画等を考慮して適正に算定した額とする。
(4) 資本費用
資本費用は、支払利息及び水道事業の健全な運営を確保するために必要とする資本報酬の合計額とする。
ア 支払利息
支払利息は、企業債の利息及び一時借入金の利息の合計額とし、所要額として適正に算出した額とする。
イ 資本報酬
水道事業の健全な運営を確保するために必要な額であり、自己資本の年10%相当額として適正に算定した額とする。
3 料金体系
(1) 一般原則
ア 個別原価主義
料金は、各使用者群に対して総括原価と各群の個別費用に基づいて配賦し、基本料金と水量料金に区分して設定するものとする。
各使用者群は、給水管の口径別に分類し、小口径給水管の使用者群に対しては、基本水量(概ね8立方メートル)を付与するものとする。
この場合において設定された料金をもって計算された料金収入額は総括原価と一致するものでなければならない。
イ 特別措置
(ア) 各使用者群の基本料金に対しては、生活用水への配慮及び給水需給の実情等から必要がある場合には、資本費用の一部を配賦しない等その料金の軽減措置を講ずることができる。
(イ) 水量料金については、給水需給の実情等により適当な区画を設けて、逓増又は逓減料金制をとることができる。
附 則
この要領は、昭和58年4月1日から施行する。